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症例のご紹介27

症例のご紹介27

60代 男性

詳細

こちらの患者さんはご家族の紹介で来院されました。
他の歯医者さんで作製した保険の入れ歯(上顎)を使っていましたが、違和感が強くあるため、最近では全く使っていないとのことで、かなり不便を感じていたそうです。最初に、口腔内の精密検査を行い、むし歯、歯周病、噛み合わせの状態を確認し、全体の治療をどのように進めるか、入れ歯をどのように設計するかを決定しました。入れ歯治療では、どの歯に荷重をかけて良いか、どの歯にリスクがあるか、もしリスクがある歯を抜歯せざるを得なくなった場合は、どのように修理して長く使えるようにするか等をシミュレーションしながら決定していきます。そのためには、お困りのことやご希望をしっかりお聞きすること、最初にできるだけ精密に検査をすることがとても大切になってきます。

今回は、保険義歯の厚みや大きさの違和感を改善したいというご希望でしたので、金属床部分義歯を選択されました。金属部分はコバルト製となります。コバルトクロム合金(Co-Cr)は、金属床義歯のスタンダードな素材として広く使用されている素材で次のような特徴があります。

①強度と耐久性: コバルトクロムは高い強度と耐久性を持ち、薄くても強度が保たれるため、義歯を薄く軽量に作ることができます。
②耐食性: コバルトクロムは耐腐食性が非常に高く、口腔内の湿潤環境や酸性、アルカリ性の影響を受けにくい特徴があります。これにより、長期間にわたって使用できるため、金属の劣化による義歯の問題を防ぎます。
③生体適合性: コバルトクロム合金は生体適合性に優れ、アレルギー反応が少ないとされています。これにより、患者がアレルギーを発症するリスクを抑えることが可能です。

これらの特徴から、薄く軽量でありながら強度が求められる入れ歯に適した素材とされています。現在は定期的にメンテナンスに通われています。患者さんからは「調子いいです。なんでも噛めるようになって不自由なく食べられています。」とコメントされておられました。

経過の写真

治療個所

上顎 コバルト床部分義歯
左上67 右上765

治療期間 2ヶ月(5回の通院)
治療費用 33万円(税込)
副作用とリスク 上下の入れ歯のため十分になれるまでに時間がかる場合があります。